国際予備審査請求

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 国際出願は、出願人が予備審査の請求をすることにより、国際予備審査の対象となります(PCT31条(1))。国際予備審査は、国際調査とは異なり、出願人の希望により受けることができる任意のものです。国際予備審査請求により、34条補正の機会が得られ(PCT34条(2)(b))、補正後の発明についての国際予備審査報告を得ることが可能となります。また、国際予備審査においては、国際予備審査機関の見解書に対して答弁書を提出することもできます(PCT34条(2)(c))。
 なお、国際予備審査請求に関するメリットについてはこちら(Q20)をご参照下さい。

1 必要な手続き

 国際予備審査を利用しようとする場合、出願人は、国際予備審査機関に対して、以下の手続をとる必要があります。
①国際予備審査の請求(PCT31条(6)(a))
(期限:国際調査報告等の送付から3月又は優先日から22月のいずれか遅く満了する日(PCT規則54の2.1(a)))
②予備審査手数料及び取扱手数料の支払い(PCT31条(5)、PCT規則57.1、58.1(a))
(期限:国際予備審査の請求書が提出された日から1月又は優先日から22月のいずれか遅く満了する日(PCT規則57.3(a)、58.1(b)))
 なお、国際予備審査請求に係る手数料(オフィシャルフィー)及び弊所手数料についてはこちらをご参照下さい。

2 国際予備審査の請求先

 国際予備審査を管轄することとなる国際予備審査機関は、受理官庁により特定されます(PCT32条(2))。
 例えば、日本国特許庁を受理官庁として国際出願をした場合、当該国際出願が日本語出願である場合には、国際予備審査機関は日本国特許庁となります。また、当該国際出願が英語出願の場合には、国際予備審査機関を、日本国特許庁、欧州特許庁、シンガポール知的所有権庁又はインド特許庁から選択することができます(詳細はこちら)。ここで、日本国特許庁、欧州特許庁及びシンガポール知的所有権庁は、各機関が国際調査を行う機関である場合に限り、国際予備審査を管轄します。

3 国際予備審査請求後の流れ

 国際予備審査機関が必要な書類及び手数料を全て受領した時点で、国際予備審査が開始されます。なお、出願人の請求により、上記①の期限まで国際予備審査の開始を延期することも可能です(PCT規則69.1(a))。
 国際予備審査機関が国際予備審査の請求書を受理した場合には、国際予備審査機関は、国際事務局に請求書(又はその写し)を送付し、出願人にその受理の年月日を通知します(PCT規則61.1(a)、(b))。
 その後、国際事務局は、選択官庁に対し選択された旨の通知等を送付するとともに(PCT31条(7)、PCT規則61.2(a))、出願人に対し、当該通知及び通知を受けた選択官庁を通知します(PCT規則61.3)。