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国際出願

1 国際出願の流れ

(1)出願人から受理官庁に出願書類を提出し、手数料を納付。

ア 手数料の内訳(括弧内は支払われる機関等)
(ア)送付手数料(受理官庁)
(イ)調査手数料(国際調査機関)
(ウ)国際手数料(国際事務局)

イ 手数料の具体例(日本語で日本国特許庁に国際出願し、日本国特許庁が国際調査機関となる場合。2024年6月時点。)
(ア)送付手数料
 17,000円。
(イ)調査手数料
 143,000円。
(ウ)国際手数料
 217,700円(30枚まで)+2,500円×(30枚を超える枚数)。
(エ)オンライン出願の場合の値引き
 49,100円。

(2)受理官庁が国際出願日を認定し、受理官庁から出願人に出願番号、国際出願日を通知。

(3)受理官庁から国際事務局に通知書の写しを送付し、国際手数料を納付。

(4)受理官庁から国際事務局に記録原本を送付し、受理官庁から国際調査機関に調査用写しを送付
ア 記録原本
 国際出願の原本を言います。
イ 調査用写し
 国際調査機関が国際調査報告を作成するために用いられる国際出願の写しを言います。

(5)国際事務局から出願人に記録原本の受領通知書を送付。

(6)国際調査機関から出願人に調査用写しの受理通知書を送付。

2 費用を抑える制度等

(1)手数料の軽減措置
 中小企業等を対象として、国際出願に係る手数料(送付手数料、調査手数料、予備審査手数料)が軽減されます。
国際出願に係る手数料の軽減措置の申請手続 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

例えば…会社A(中小ベンチャー企業、軽減率1/3)の場合
 送付手数料…17,000円×1/3 = 5,666.666…円 → 5,660円(10円未満切り捨て)
 調査手数料…143,000円×1/3 =47,666.666…円 → 47,660円(10円未満切り捨て)
 合計…160,000円 → 53,320円

(2)国際出願促進交付金
 中小企業等を対象として、国際出願に係る手数料(国際出願手数料、取扱手数料)について交付金が交付されます。
国際出願促進交付金の交付申請手続 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

例えば…会社A(中小企業(会社)、軽減率1/2)の場合
 国際出願手数料…190,300円×1/2=95,150円
 取扱手数料…28,600円×1/2=14,300円
 合計…109,450円

(3)調査手数料の一部返還
 基礎とした国内出願の審査結果を利用することができる場合、調査手数料の一部を返還してもらえます。
ア 要件
 調査手数料の返還を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
(ア)先の国内出願について出願審査請求を行うこと。
 先の調査結果を利用する制度であり、審査開始の要件である出願審査請求は必須であるためです。
(イ)先の国内出願の審査結果の相当部分を利用できること。
「相当部分を利用できる」とは、以下の3点を満たすことを言います。
a 国際調査を完了した時点よりも前に、審査官が先の国内出願の調査結果を利用できる状態にあること。
b 国際出願の優先日が、先の国際出願又は先の国内出願の公開日よりも前であること。
c 先の国内出願の調査を行った発明と、国際出願のうち国際調査報告を作成した発明とが、事前の発明の単一性の要件を満たすこと。
「事前の発明の単一性の要件」…先行技術との関連においてクレームを検討する前に、クレームの記載から直接明らかになる単一性の可否を言います。

イ 調査手数料返還の流れ
(ア)国際出願時に、国際出願の願書に先の国内出願の必要情報を記載します。
(イ)国際調査報告と共に先の調査結果を利用できたか否かを示す通知書が送付されます。
(ウ)先の調査結果を利用できた旨の通知がされた場合には、受理官庁に返還請求書を提出します。

ウ 具体例
 日本語による国際出願では調査手数料が143,000円であり、そのうちの57,000円が返還されます。

国際調査及び19条補正

1 補充国際調査に係る手数料(オフィシャルフィー)

 補充国際調査を請求する場合には、手数料が必要となります。この手数料は、原則として補充調査手数料及び補充調査取扱手数料の合計となり、国際事務局に対して支払う必要があります(PCT規則45の2.2 (a)~(c)及びPCT規則45の2.3 (a)~(c))。
 例えば欧州特許庁が補充国際調査を行う場合、補充調査手数料及び補充調査取扱手数料は以下のとおりとなります(PCT出願人の手引き-国際段階-附属書SISA(下記URL)、年1回更新)。
https://www.wipo.int/export/sites/www/pct/guide/en/gdvol1/annexes/annexsisa/ax_sisa_ep.pdf
(1)補充調査手数料
1,713 CHF(スイス・フラン)(2023年2月28日時点)
(2)補充調査取扱手数料
200 CHF(2023年2月28日時点)
※1CHF=145.78円(2023年2月28日時点)

2 19条補正に係る手数料(オフィシャルフィー)

 19条補正に係る手数料(オフィシャルフィー)は発生しません。

3 弊所手数料

 補充国際調査請求及び19条補正を行う場合には、上記手数料に加えて、弊所手数料も発生します。
(1)補充国際調査
 弊所手数料には、事務手数料が含まれます。
(2)19条補正
 弊所手数料には、担当者による検討手数料(タイムチャージ)に加えて、事務手数料が含まれます。
 なお、弊所手数料については、弊所までお問い合わせください。

国際予備審査請求

1 国際予備審査請求に係る手数料(オフィシャルフィー)

 国際予備審査請求の手数料は、予備審査手数料及び取扱手数料の合計となり、国際予備審査機関に支払われます(PCT31条(5)、PCT規則57.1、58.1(a))。
 国際予備審査機関が日本国特許庁である場合、予備審査手数料及び取扱手数料は以下のとおりとなります(特許庁ウェブサイト 国際出願関係手数料表)。
(1)予備審査手数料
34,000円(2024年6月時点)
(2)取扱手数料
32,700円(2024年6月時点)

2 弊所手数料

 国際予備審査請求を行う場合には、上記手数料に加えて、弊所手数料も発生します。
 弊所手数料には、担当者による検討手数料(タイムチャージ)に加えて、事務手数料が含まれます。
 なお、弊所手数料については、弊所までお問い合わせください。

34条補正、国際予備審査報告

1 34条補正

<実務上の目的>
(1)特許性を肯定する旨の国際予備審査報告を入手するため
 新興国では、国際段階における見解をそのまま用いたOAがだされることが多いため、特許性を肯定する旨の国際予備審査報告を予め入手しておくことは有用です。一方で、先進国では、国際段階における見解とは別に、各国段階で拒絶理由が出される場合が多いため有用性は低いです。

(2)審査を促進するため
 国際予備審査機関が作成した見解書を利用して、PPH(特許審査ハイウェイ)を申請することができ、第二庁における審査を早めることができます。

(3)その他
 34条補正した請求項に関する先行技術を発見しておくことでも有用です。
 大学関係の出願では、国際段階で肯定的な見解を受けていること(特許性に重大な懸念が無いこと)が、国内移行の補助金(JST等)を受け取るための条件になっている場合があるため、34条補正を活用することがあります。

<注意点>
 国際出願の開示の範囲を超える補正は認められません(PCT34条(2)(b))。
 補正が国際出願の開示の範囲を超えてされたものと国際予備審査機関に認められた場合、報告は、その補正がされなかったものとして作成され、報告には、その旨及びその開示の範囲を超えてされた補正と認める理由が表示されます(PCT規則70.2(c))。
 34条補正を行う場合、補正のための差替え用紙に添付する書簡に、出願時の国際出願中の補正の根拠を表示しなければなりません(PCT規則46.5(b)、66.8(a))。補正の根拠を表示しなかった場合、当該補正が行われなかったものとして国際予備審査報告が作成される場合があります(PCT規則70.2(cの2))。